センター長 あいさつ

金沢大学附属病院研修医・専門医総合教育センターは、文字通り医師臨床研修部門と専門研修部門を一体化し、レジデント研修からフェローシップ研修まで包括的にサポートしています。臨床研修の基本理念は、「医師が、医師としての人格をかん養し、将来専門とする分野にかかわらず、医学及び医療の果たすべき社会的役割を認識しつつ、一般的な診療において頻繁に関わる負傷又は疾病に適切に対応できるよう、プライマリ・ケアの基本的な診療能力(態度・技能・知識)を身に付けることのできるものでなければならない」とされています。当院では、この基本理念を実現するために様々な特色をもった研修プログラムを用意しています。

アピールポイントは、研修医自身の将来やビジョンに合わせた多様なプログラム(専門医重点、小児科・産婦人科重点、地域医療連携実践)、研修医による指導医指名制、自身による手作り年間プログラムの実践、多くの医療技術を集中的に学べる 2 weeks 1 skill course(2W1S)の選択や研修医ワークショップなど、多彩にあります。医療人として最初の一歩を踏み出す大切な時期を、大学附属病院のみならず関連病院の豊富な指導・教育経験をもった指導医に温かく見守られながら、のびのびと研修できる環境を整えています。

一方、専門医制度は、医師としての質を高め、国民に良質な医療が提供されることを目的とされています。当院では、専門研修基幹施設として複数の連携施設群とともに、基本19領域のうち17領域について魅力的な専門研修プログラムを実施しています。大学附属病院では専門性の高い診療を、関連施設では一般的な疾患の診療を幅広く経験し、専門医を確実に取得する教育・指導を行っています。内科・外科専門研修では、臨床研修で経験した症例の一部を専門研修に含めることができる、基本領域に基づいたサブスペシャリテイ領域に関しても、専門研修プログラム中に連動して研修を行うことで、早期にサブスペシャルテイ専門医の資格を取得することが可能となります。他の各領域プログラムにおいても、研修する医師のキャリア形成を第一に考え、さまざまな工夫がされています。

専門医取得後のキャリア形成においても、将来的に北陸での勤務を考えている場合はもちろん、学位取得・国内留学・海外留学などさまざまなニーズに応える環境を、当センターでは各診療科と協力して提供しています。

金沢大学附属病院研修医・専門総合教育センター
センター長 稲木 紀幸