センター長 あいさつ

 このたび、金沢大学附属病院研修医・専門医総合教育センター長に就任いたしました岡島正樹です。日頃より当センターの活動にご理解とご協力を賜り、心より感謝申し上げます。

 当センターは、人間性豊かな優れた医療人の育成を使命としています。私たちは、医療にかかわる皆様が安心して研修に取り組める環境を提供し、円滑なキャリア形成を支援しています。
 医療技術の進歩に伴い、医療人には常に最新の知識と技術を学び続ける姿勢が求められます。最高の医療の提供に努める医療機関として、当センターでは皆様が最新の医療情報にアクセスできるよう、さまざまな学習機会を提供しています。
 また、医療の質を向上させるためには、一人ひとりが自信を持って成長できる環境が不可欠です。そのため、研修プログラムの充実はもちろん、メンタルヘルスのサポートや多職種での交流を深める機会の提供にも力を入れています。

 研修医の皆様には、プライマリ・ケアを含む幅広い基本的臨床能力の習得を目指し、自由度の高いプログラムを提供しています。専攻医以降のキャリア形成においても、北陸での勤務を考えている場合はもちろん、学位取得・国内留学・海外留学などさまざまなニーズに応える環境を各診療科と協力して整えています。専門医の皆様は、積み重ねた知識と経験を元に医療の最前線で存分に活躍し、高度な専門技術の修得や研究を楽しみ、自ら成長することができるでしょう。
 すべての研修医・専門医が前を向いて医療に従事できるよう、当センタースタッフ一同、誠心誠意取り組んでまいります。

 

 金沢大学附属病院研修医・専門医総合教育センターは2016年、卒後臨床研修センターを引き継ぐ形で生まれました。その時点ですでに2018年から開始される専門医制度を見据えた、包括的な設計の上にできたセンターでした。その後センターは、常により良い医師を育成できるよう、臨床研修と専門研修を総合的にサポートし、各プログラムの刷新を重ねてきました。
 体制に関わる最近の変更としては、2023年の地域医療支援部門の追加(地域医療教育センターより移設)、2024年の看護師特定行為研修部門の追加があります。前者は、医学生から研修医へのシームレスなステップアップに寄与し、後者は、レベルの高いチーム医療を推進するうえで重要な役割を果たすと期待されています。
 では、次に、研修医・専門医総合教育センターが目指す場所はどこでしょうか。
 一つは、専門医制度がこの国の医療のインフラとして浸透した今だからこそ、あらためて臨床研修制度、専門医制度を見直し、その連携が盤石となるよう見直す必要があると感じています。医師が思い描くロードマップを多数用意できるのが大学病院のいいところです。今の時代に合った研修が行えるよう、常に自己改革の精神を忘れずにいたいと思います。
 もう一つは、より広い世界で活躍できる人材の育成も視野に入れなければなりません。これまでも当センターでは、医学英語の研修や海外研修を継続的に行ってきました。また、海外出身の研修医も積極的に受け入れており、今もその活躍をサポートしています。今後の展開として、育成した人材に対して、さらなる専門知識の習得や国際的なネットワークの構築を支援できないかと考えています。また、本院がへき地医療で培ってきた遠隔医療の技術を世界に向けて発展させることで、よりグローバルな視野を持った医療従事者の育成が可能となるでしょう。
 もし当センターにご要望があれば、忌憚なくご意見をお寄せください。未来の医療の発展に寄与することであれば、私たちは全身全霊でサポートします。

 

金沢大学附属病院研修医・専門総合教育センター
センター長 岡島 正樹